研究室についてAbout Our Lab.

東京大学医科学研究所
特任准教授 宮本悦子
サイエンスや医療は,常に技術の進歩とともに発展して来ました。クローニング技術が生まれて,我々は研究したい遺伝子を分離して増やすことが出来るようになりました。シーケンス技術が生まれて,自分達の持つ遺伝情報を全て解読することが出来るようになりました。「インタラクトーム医科学」研究室では、日本発の独自技術「日の丸印のテクノロジー」として網羅的生体分子相互作用のインタラクトーム解析ツール(「ピューロマイシンテクノロジ」[研究内容 参照])を研究の基盤としています。個別化医療時代に向けて、これらのツールを「医科学」へ応用して行きます。研究のスタイルは、横断型の領域融合研究であり、ヒトゲノム解析センターと連携して、パーソナルゲノム解析にとって欠かせない、スパコンによる次世代シーケンサ解析を利用して、「インタラクトーム解析パイプライン」を構築して行きます。特にパーソナルな疾患である「がん」に着目し、がん研究者と連携して「がん細胞・がん細胞社会の理解と制御」に挑戦して行きます。また、社会連携講座として、産学連携による共同研究を展開して行きます。

2014年4月 東京大学医科学研究所1号館と宮本研の集合写真
皆さんには、無限の可能性が開かれています。私が大学院時代を過ごした三菱化学生命科学研究所で、学んだ言葉があります。「面白い研究は最初からある訳ではない。面白い研究にした人がいる。そう言う人になりなさい。」重要な研究は沢山ありますが、なぜある研究が、「インパクトのある後に残る研究」や「メッセージのある面白い研究」となり、人々のこころを魅了するのでしょうか?始めから,面白くて重要だと皆が認めている分野の研究だけでなく、今はまだ誰も知らない研究で,誰かが,その重要さや面白さに気づき,それを新しい分野として開拓して作り上げる時,ユニークな世界が生まれます。それが,次のサイエンスにインパクトを与え、新しい分野を切り拓く原動力となる可能性があるのです。皆さんは,そんな世界を自分で切り拓いて行くことが出来るポテンシャルを持っています。良い頭を持っているのですから、ぜひご自分で“考えて”みてください。宮本研究室が、そのきっかけを作ることが出来れば大変嬉しいことです。